海外語学・科学研修プログラム
静岡北高等学校では、実践的な英語力の習得と異文化理解の深化、さらには科学への探究心を高めることを目的として、海外での語学・科学研修を実施しています。多くの人との対話や交流を通して、自らの進路や将来について深く考える貴重な機会となります。
オーストラリア語学研修
毎年、春季休業中にオーストラリア語学研修を実施しています。今年は3月13日(木)から22日(土)までの10日間、クイーンズランド州ブリスベン近郊を訪れました。現地の家庭でのホームステイを通じてオーストラリアの生活を体験し、日々学んでいる英語を実践的に活用しながら、多様な文化に触れ、学びの視野を広げました。また、現地の学校での授業体験や交流活動を通して、「英語を学ぶ」から「英語を使う」へとステップアップし、異なる価値観を理解する力や国際社会で活躍するための柔軟な思考力を育んでいます。

SSHスイス海外研修
【スイス海外研修背景】
平成18年度に、名古屋大学理学部の仲介により、全米600校、10万人の高校生が参加する素粒子物理学のプロジェクト「QuarkNet(クォークネット)」に本校科学部が加入し、測定と情報発信を行ってきました。この活動を通じてFermilab(フェルミ加速器研究所)との連携が活性化し、平成20~22年度には本校の生徒や教員がFermilabを訪問し、研究者や現地の高校教員、高校生と研究交流を実施するなど、高校生の素粒子物理学への関心を高める事例を築いてきました。その後、研修先をイタリアへと移し、素粒子物理学の国際研究の最前線を垣間見る機会を創出しています。スイスには、世界最大の加速器を有する欧州原子核研究機構(略称CERN)があり、昨年ここで行われた実験によりヒッグス粒子が発見され、ノーベル物理学賞の授賞につながりました。このような最先端の研究現場を見学し、これまでの本校の海外科学研修の実績と融合させ、素粒子物理学をより包括的に学んでいきます。訪問先:CERN(欧州原子核研究機構)
アインシュタインハウス・アインシュタインミュージアム/ベルリン大学・ベルン大学付属病院
CERN(欧州原子核研究機構)は、スイスのジュネーヴ郊外、フランスとの国境付近に位置する世界最大規模の素粒子物理学研究所です。CERNでは、素粒子物理学に関する講義を受けるだけでなく、ヒッグス粒子の発見に繋がった実験が行われている検出器の一つ「ATLAS」をはじめ、多くの施設を研究者とともに見学しました。この経験を通じて、科学技術の影響や発展を直接肌で感じることができました。さらに、最先端の研究所で多くの研究者と交流することで、自身の将来について考える貴重な機会となりました。


SSHイタリア海外研修
訪問先:グラサッソ国立研究所/フラスカッティ国立研究所/カポディモンテ天文観測所
ニュートリノを捉えるための巨大な検出器。宇宙の謎が、今まさに解き明かされようとしていました。イタリアのグランサッソ国立研究所は、アペニン山脈の中でも最も高い山塊に位置し、素粒子「ニュートリノ」の研究における世界的な拠点です。生徒たちはこの場所で、世界の第一線で活躍する科学者や研究者とともに食事をし、議論を交わしながら、最先端の科学技術の研究現場を見学しました。宇宙の謎に迫るために、日本をはじめとする各国が、競争と協力の中で研究を進めている現実を目の当たりにし、科学技術がもたらす影響について深く考える機会となりました。

