-最先端の科学と出会い、探究心を育む-

世界の最前線で活躍する科学者との交流や、最先端の科学に触れる機会を通じて、深い探究心と広い視野を育んでいます。世界のトップ科学者たちは、どのような課題意識を持ち、どのような可能性を科学に見出しているのか──。
その姿勢や考え方に直接触れることで、生徒たちは「科学が未来をどう変えていけるのか」を体験的に学んでいきます。こうした経験を通じて、生徒たちは国際的な場でも自信を持って意見を発信し、世界の同世代と科学を通して対話・議論できる力を身につけていきます。

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)とは?

SSH(スーパーサイエンスハイスクール)は、将来、科学技術やイノベーション分野で活躍する人材の育成を目的として、文部科学省が指定する研究開発校です。本校は、静岡県内で唯一の私立SSH指定校として、大学や研究機関、地域の産業と連携した先進的な理数教育に取り組んでいます。

18年間の研究成果 ― SSHの歩みとこれから ―

令和6年3月、文部科学省より令和6年度スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校の内定が発表され、本校は第4期SSH指定校(令和6年度〜令和10年度)として採択されました。今年度は、全国で基礎枠47校、文理融合基礎枠14校、重点枠4校が新たに内定されており、本校はこのうち【基礎枠〈開発型・実践型〉】(全国37校)に該当します。

本校では、平成19年度より10年間にわたりSSHの研究指定を受け、科学的探究力や課題解決力の育成を中心とした教育活動を展開してきました。その後、2年間の経過措置期間を経て、平成31年度(令和元年度)からは静岡北中学校との連携による中高一貫型SSHとして、新たな研究開発を進めています。今後も、生徒の科学的思考力・表現力を育む多様なプログラムを通して、地域社会・大学・企業等との連携を深めながら、より実践的で先進的な教育を推進していきます。

SSH活動の特色

「研究の前の調査や発表の仕方も含めて学べる」――将来につながる科学的思考力と表現力を育てます。

1. 最先端の科学を体験

スーパーカミオカンデや、スイスでの科学研修におけるCERN・ベルン大学など、世界屈指の研究機関を訪問。科学者の活動に直接触れることで、科学の最前線を実感するとともに、生徒たちは自身の将来やキャリア形成について考えを深めていきます。

2. 自ら問い、深める研究活動

自然現象の観察から課題を見出し、仮説を立てて検証する力を育成します。例えば、地域での環境調査を通して統計の基礎を学び、住民へのアンケート結果を分析・発信するなど、研究と社会との接点を重視しています。 研究スキルを身につけた生徒たちは、静岡大学・静岡県立大学・静岡理工科大学と連携し、実験・考察・発表を日常的に実施。科学への理解を深め、社会と科学技術をつなげて考えられる広い視野を養っています。

3. 多彩な発表の機会

SSH活動では、研究成果をポスターやスライドにまとめて発表する機会を必ず設け、生徒の表現力を継続的に鍛えています。 また、「21世紀の中高生による国際科学技術フォーラム(SKYSEF)」や海外での研究発表会、「Science Sphere」など、校外でも発表の場を数多く経験。これらに向けた英語発表力の育成のため、ネイティブ講師による科学英語の授業では、イギリスの中学校で使用されている教科書を用いて実践的に学習しています。 こうした取り組みを重ねた生徒のプレゼン力や英語力は飛躍的に向上し、大学や他校からも高く評価されています。

4. 科学を通じた国際交流

これまでにアメリカ・イタリア・スイス・台湾で海外科学研修を実施。各国の研究機関や科学者との交流を通して、グローバルな視野と科学的探究心を育ててきました。 台湾研修では現地高校生と共同プロジェクトや研究発表を行い、科学を媒介とした国際的な議論を経験。参加生徒はその後、SKYSEFをはじめとする国際フォーラムでリーダーシップを発揮し、海外研修での成果を広く発信しています。

🔬 研究成果の取り組みについて

本校では、すべての1年生が学科に関係なく「解決デザイン」「課題研究Ⅰ」を受講しています。2学期以降は、自ら研究テーマを設定し、個人での探究活動に取り組みます。2月には、その成果を発表する成果発表会を実施します。
2・3年生は「課題研究Ⅱ」を受講し、グループでの探究活動を進めます。12月に中間発表会、6月に本発表会を行い、研究の進捗や成果を発表します。

★探究活動で使用しているワークシート

●解決デザインワークシート

教科学習で身につけたさまざまな知識や事象を、改めてじっくりと観察することで、それぞれの「見方・考え方」を融合させ、多角的・複合的な視点から物事をとらえ、問いを立てる力を育成します。探究テーマの発見から課題の設定までの思考の流れを整理し、 「自分だけの問い」にたどり着くためのワークシートです。

▶ ダウンロード(PDF)

●2年生課題研究Ⅱ ワークシート

探究活動におけるグループの編成を記録する資料です。調査・実験・振り返りなどの進捗を可視化し、計画的な活動を支援します。

▶ ダウンロード(PDF)

これまでの研究成果 ~見せます、静岡北の探究のチカラ。18年間の軌跡と成果~

令和元年度研究開発実施報告書(第3期1年次)はこちら
令和2年度研究開発実施報告書(第3期2年次)はこちら
令和3年度研究開発実施報告書(第3期3年次)はこちら
令和4年度研究開発実施報告書(第3期4年次)はこちら
令和5年度研究開発実施報告書(第3期5年次)はこちら
令和6年度研究開発実施報告書(第4期1年次)はこちら

主な受賞歴

太陽光と海水と廃陶器と廃ペットボトルを活用した持続的な硝酸イオン除去法の開発

第1章 海水と廃陶器から吸着材を製造
第2章 太陽光による持続的な硝酸イオン除去法
第3章 廃ペットボトルを活用した担持法

●平成26年度SSH生徒研究発表会 審査員長賞(全国ベスト6)
●第12回高校生科学技術チャレンジ(JSEC2014)優等賞(全国ベスト30)
●21世紀の中高生のための国際科学技術フォーラム2014 口頭発表 環境の部最優秀賞
●第58回静岡県学生科学賞 県科学教育振興委員会賞(静岡県4位)
●読売新聞社賞
●第28回山﨑自然科学教育振興会 研究助成賞
●第31回山﨑自然科学教育振興会 山﨑賞

ゼオライトの吸着能力 ~吸着剤開発に向けて~

●プラズマ核融合学会主催高校生シンポジウム 口頭発表 奨励賞

色素測定法の確立とPlant Senescenceによる葉色研究法の開発

●朝永振一郎記念第8回科学の芽賞 奨励賞(全国ベスト6)
●高校生バイオサミットin 鶴岡 審査員特別賞(全国ベスト7)
●AITサイエンス大賞 努力賞
●第58回静岡県学生科学賞 県科学教育振興委員会賞(静岡県4位)
●読売新聞社賞
●第28回山﨑自然科学教育振興会 研究助成賞
●第16回ライフサイエンスシンポジウム 奨励賞

新たな土壌浄化法の提案‐不定根を利用した塩害ファイトアキュミュレーション基礎研究‐

●第16回ライフサイエンスシンポジウム 奨励賞

植物に生息する微生物群集について 酵母菌を中心として

●SSH東海地区フェスタ2013口頭発表 奨励賞
●第28回山﨑自然科学教育振興会 研究助成賞
●第31回山﨑自然科学教育振興会 山﨑賞
●第16回ライフサイエンスシンポジウム 奨励賞

様々な性質を持つ波刺激を与えた時の酵母菌のストレス応答と活性化について

●第28回山﨑自然科学教育振興会 研究助成賞
●第31回山﨑自然科学教育振興会 山﨑賞
●第16回ライフサイエンスシンポジウム 奨励賞

平成20~25年度の受賞総数は104件(全国62件、県内42件)

●2014日本ストックホルム青少年水環境大賞(全国4位)
●2011日本ストックホルム青少年水大賞(全国1位)ストックホルムで開催されたSJWP2010へ派遣
●第8回高校生科学技術チャレンジ(JSEC2010)協賛社賞(全国4位)ロサンゼルスで開催されたISEF2011へ派遣
●第10回高校生科学技術チャレンジ(JSEC2012)花王特別奨励賞(全国9位)
●平成22年度SSH生徒研究発表会ポスターセッション賞
●第53回日本学生科学賞入選3等
●平成21年度SSH生徒研究発表会 科学技術振興機構理事長賞

連携先一覧(抜粋)

  • フェルミ国立加速器研究所
  • シカゴ大学
  • アドラー天文台
  • アルゴンヌ国立研究所
  • ロンドン大学
  • グラン・サッソ国立研究所
  • ナポリ天文研究所
  • フラスカッティ国立研究所
  • ナポリ大学
  • 欧州原子核研究機構(CERN)
  • ベルン大学
  • カムランド
  • スーパーカミオカンデ
  • 国土地理院
  • 国立天文台
  • 海洋研究開発機構(JAMSTEC)
  • 日本科学未来館
  • 科学技術館
  • 静岡科学館る・く・る
  • ソニー・エクスプローラサイエンス
  • パナソニックセンター
  • 筑波宇宙センター
  • プラズマ・核融合学会
  • 東京大学
  • 京都大学
  • 東北大学
  • 名古屋大学
  • 大阪大学
  • 筑波大学
  • 静岡大学
  • 静岡県立大学
  • 静岡理工科大学
  • 東海大学
  • 岐阜大学
  • 常葉大学
  • プリンセス・チュラポーン科学高等学校ルーイ校(タイ) など